ウサギと私の遺伝子|第一話:かわいさに抗えなかった日

ウサギと私の遺伝子|第一話:かわいさに抗えなかった日 ウサギ
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こんにちは、fukumomo3_Photo(@fukumomo8_com)です。

港の、とあるペットショップで、私は運命の出会いを果たした。

ケージの中で無邪気に跳ねる小さなウサギ。

オレンジ色のふわふわした毛並み、丸い顔、そして驚くほど小さな耳。

「かわいい」と思った瞬間、私の遺伝子が暴走を始めた。

気づけば、ウサギ用のケージと用品を抱え、3羽のネザーランドドワーフを迎え入れていたのだ。

ウサギと私の遺伝子

こちらを見ているネザーランドドワーフ

第一話:かわいさに抗えなかった日

港の、とあるペットショップで、耳の小さな、ちょっとかわいい子に出会った。その、かわいい子の名前は、ネザーランドドワーフ。私の小学生の時の記憶では、うさぎは、怖くて、噛み付くといった、かわいいとは縁のない存在だった。そう、私の中で、うさぎは『可愛くない』といったイメージだったのだ。かわいくない=正義ではないが、悪かと言えば悪でもなく、どーでもいい存在だった。そんな私が、とあるペットショップで出会ったネザーランドドワーフにメロメロになった。

とあるペットショップのドアを開ける。ヘキサゴンで囲まれたサークルの中で遊ぶ小さな小さなウサギ。オレンジ色の体毛にウサギ特有の長い耳ではなく、木の葉の先端をちぎってつけたと思えるぐらい小さな耳をつけたウサギが、私を見上げた。目があった瞬間、私の遺伝子がこのウサギを飼育するとわがままを言って、私の体と思考を奪い取った。このウサギは、ちょっと意地悪そうな顔をした日本古来のウサギの絵のイメージと正反対のまるっこい顔をしたウサギで、昭和の小学校では、必ず飼育されていたウサギとは、「種が違うんじゃないか?」と思えるぐらいかわいいのだ。

このネザーランドドワーフには、私の中のウサギのイメージが反転して一度煮て冷ましてから焼き上げたぐらいに変わった。私の遺伝子の言うがまま、思うがままに、ウサギ用のケージを三つ、トイレを三つ、水飲みを三つ購入して、大きな箱を抱えてアパートに帰る。そう、私の遺伝子は、3羽のウサギと暮らすということを選択したのだ。遺伝子が選択したのだから遺伝子の乗り物である私が、何を言ってもしょうがないので、言われるがままにセットして、ウサギ達を眺める。

「かわいい」この言葉が、部屋の中を漫画の吹き出しのように流れる。「かわいい」遺伝子に思考を奪われた私は、これしか言葉が浮かばないのだ。チモシーを食べるネザーランドドワーフ「かわいい」。水飲みにちょっとだけ舌をだして頑張って飲むネザーランドドワーフ「かわいい」。耳の後ろが痒いのか?毛繕いをするネザーランドドワーフ「かわいい」。どの角度から見ても「かわいい」もし、神が、これを作ったのならば、今まで神を信じたことはないが、信じよう。もし、偶然で生まれたのならば、偶然に感謝しよう。もし、人が作り上げたのならば、少しだけ、恐怖を感じながらも、感謝する。

遺伝子に動かされていた私もしばらくすると冷静に戻る。冷静になりウサギを見つめ名前を考える。名前を考える時は、いつも直感第一主義で、ウサギなら「ウサ子」といった自分ならつけられたくない名前をつけるのだが、今回は、幸福の「幸」、ベリーグッドの「ベリ」、トムボーイの「トム」とした。そう、トムは、雄だけど、「かわいい」からトムボーイなのだ。

名前をつけて数日が経つと名前を覚えて、飛んでくるようになる。きっとおやつをもらえるといった条件反射だろうが、うれしい。ちょっと気に入らないことがあると、前足を地面に固定して後ろ足を地面に強く叩きつけて怒る仕草もこれまた「かわいい」のだ。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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